カラオケからの帰り道。 まだ外は明るい。空気がじめっと肌にまとわりつく感覚。 もう夏は目の前。 突然、亜希が立ち止まる。 横目で感じ取り、僕も足を止める。 「亜希?どうしたの?」 『あの、ごめんね… 変だよね、あたし。 ジローくんを困らせてる… こんなんじゃ嫌われちゃうね…っ』 涙まじりの声で、亜希がつぶやく。