「いや、大丈夫。ありがとう。」 違和感を感じながらも、 自分のブレザーをハンガーに掛け、 亜希がぽすん、と隣にソファに腰掛けて、 電子歌本を操作し始める。 顔だけ亜希の方向へ向けると、 ソファに座ると、意外にも距離が近いことに気付く。 ラッキーなのか、ピンチなのか。 考えていると、ふと亜希の足が目に入る。 僕も健全な男の子だからな、と思いつつ目を逸らしながら ブレザーを脱ぐ。