受付を済ませ、室内に入る。 二人か三人ほど座れる、クッションのよさそうなソファの向かいに テレビが付いている、こぢんまりした部屋だ。 どこからか、騒がしい歌声が聞こえる。 こうやって聞いていると、 何の曲なのか判断するまでにとても時間がかかる。 そんな事を考えていると、 亜希がそわそわし始める。 「歌わないの?」 亜希に視線をやる。 『えっ?あ、そうだね! 上着!脱ぐ?ハンガーあるよ!』 明らかに挙動不審な亜希。