長いため息を吐くと、首を傾げて亜希を見つめる。 亜希の表情は、重大なエラーが発生したロボットのようだった。 無理もない。 左手で肩を抱き、右手はドアノブ。 二人の距離は10cmもないほど。 こんなウブな彼女を見ていると、 まだ誰のものにもなっていないんだな、と安心する自分がいる。 …離したくない。 思うのと同時に、肩を抱く力を強め、 亜希の首筋へ顔を埋めた。 ーー亜希は、こんな僕を知ったら、嫌いになるだろうか。