手をつないだまま、向かい合う。
亜希はうつむいている。
『ずっと、ジローくんはあたしのそばに居てくれるって、
昔は無邪気に信じてた…
中学の頃、覚えてる?
ジローくんが告白された時の事。
あたしね、あの会話、盗み聞きしてたの…
ごめんなさい…。』
ポツリ、ポツリと亜希がつぶやく。
『その時から、ジローくんはいつかどこかに行ってしまうって思ってきた。
でも、好きだから…っ
振り向いてもらおうって、頑張ってきた。
でも金山さんが現れて、
ジローくんの好きな人はきっと…って…、
何度も何度も諦めようとしたの…っ
でもやっぱり好きで、大好きで…っ
大好きでたまらないの…
諦めるなんてできなかった…っ』
亜希がまた泣き出す。


