鉄の扉に辿り着くと、亜希を見る。 腕の中、うつむいている。 落ち着いたようだ。 『ジローくん… もう、降ろしていいよ? 歩ける…』 恥ずかしそうに小さくつぶやく。 亜希を降ろし、手を取り再び歩き始める。 “いつもの場所”に着くと、 まだ強い日差しから逃れるように、屋根の下に入る。