その瞬間。 『ジローくんっっっっ!!!!!』 泣き叫ぶような、大きな声。 しん、と辺りが静まり返る。 振り返ると、数メートル後ろに 亜希がいた。 『何でわからないの!! 何でわからないんですか!!』 その声は泣いているようにも、怒っているようにも聞こえた。 思考が追いつかない。