金山さんは僕が話し終わると、

切なげな表情で視線を床に落とした。




再び訪れる沈黙。


けれど、彼女は何かに踏ん切りをつけるように顔を上げた。



『…まだ諦められない。

いつ諦められるかわからない。



けど、

ちゃんと向き合ってくれて


ありがとう。』



そう言うと彼女は、片手を差し出した。


黙って彼女の手を握る。



『…ありがとう』




涙まじりに聞こえたその声とは裏腹に

金山さんは笑っていた。



***


『本山君って、モテるでしょ?』

「ううん。告白されたのは金山さんで二人目だよ。」


『え!?嘘でしょ!?』

「そんなとこで嘘ついてどうするの…」