『誰にでも分け隔てなく優しくて、
自分の事より周りばかり気にかけているところ。
そんな本山君に、いつも守られて一番に大切にされている笠寺さんは、
お姫様みたいだった。
皆の人気者になれなくてもよかったの。
本山君だけに見てもらいたかった。』
さっきの出来事が頭をかすめる。
湧き上がる自己嫌悪を抑え、続ける。
「僕は、金山さんが思うような良い人間じゃないよ。
けど、
そんな僕の事を好きだって言ってくれて、ありがとう。
嬉しかった。」
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