信号が青に変わる。 傘をさしている意味がないほど、 服も靴もビショビショに濡れていた。 再び走り出す。 がらんとした駅前広場。 誰かがぽつんと噴水前に立っている。 間違いなかった。 「金山さん…っ!!」 駆け寄り、肩を掴む。 「何してんの…っ!!」 金山さんは力の入らない手で僕の肘を掴んだ。 『好きなの…っ!! 本山君のことが好きなの!! 諦めるなんて無理なの!!』