「お父さん、やめて!」

それが父との最古の記憶。

幼年のころの私は対人恐怖症を患っていた。

原因は私の父にあったのだろう。

私が生まれた頃からなのか違うのかそれはわからない。

ただ、私が物心ついたころには父は私を殴っていた。

呼吸さえ許されないとばかりに、私は身を縮こめて息を潜める毎日。

そして、母が私を庇うと、父は母を拳で殴りつけた。

正確には覚えていない、そんな恐ろしい日々を母は離婚という形で脱出した。