叶う。 Chapter3






「だけどリサはやんちゃな子でな。18で家出したんだよ。それで家族にばれないようにナイトクラブで働いていた。そこで偶々ボスに拾われたんだ。後はお前も知っての通り。」


私はママが心配で仕方なかった。


「ママは、大丈夫なんですか?」


「ああ、命には別状ない。」


月島省吾はそう言って私に「いい加減座れ」と命令した。


「そういう事情だ、だからお前はこの家に住む。一人で生きていけるようになるまではな。だが、俺はお前が何をしても口を出す気はないし、手を貸す事はしない。」


私はまた月島省吾の向かいまで行くと、ゆっくりとソファに腰掛けた。


「だからお前がこの家を出たいと言うなら止めないし、ピアノを辞めるならそれでもいい。だがな、命を掛けてまでお前を守ろうとしたリサの気持ちを無駄にすることは許さない。」


月島省吾はそう言って目を細めて私を睨むように見つめた。


「・・・わかりました。」


私はママの顔を思い出して、涙が出そうになったけれど何とか堪えた。
私が泣けばママはきっと悲しむ。

だからもう2度と人前では涙は流さない、家族に会うまでは絶対に誰にも涙は見せない。


心の中でそう誓った。