叶う。 Chapter3





私はふと、今日の朝の出来事を日記に書かなくてはと思い出したけれど、後1時間後に待ち合わせという事は、遅くてもあと30分もすれば家を出なければいけないと思い始めた。


慌ててクローゼットから着替えを取り出そうと開いて見ると、一年前にママと買い物に行った時に買って貰った、黒地に小さな薔薇の刺繍が施されているワンピースが目に止まった。


アンナは派手だからと、着なかったそれを私はハンガーから外してそれに合わせる黒いレースのブラウスを一緒に取り出した。

一応ワンピースは秋冬物だけれど、レースのブラウスはこの時期には寒すぎる。

だからシンプルなカーディガンを上に羽織ったけれど、襟元に見えるシースルーの黒いレースが何だか少しだけ大人っぽく見えた。


それから少し長めのブーツを取り出してそれに履きかえると、また身長が少し高くなったことに安心感を抱いた。


お父さんもそうだけれど、私の周りは何故か背が高い人が多い。

シオンもレオンも、もう隣には居ないから比べる事は出来ないけれど、それでも見上げるほど背が高い2人に、私はいつも自分の身長がもう少し伸びてくれないかと願っていた事を思い出した。

今度会えたら、もう少しだけ背が伸びている事を密かに願いながら、今日持っていくバッグの中身を整理し始めた。