「・・・はい。」
部屋に入られるのはやっぱり嫌だけれど、致し方ない。
私がそう返事をすると、お父さんは満足したようでまた新聞を手に取り読み始めた。
その瞬間、私はある事を思い出し急いで部屋に戻ろうと思った。
「じゃあ、私は部屋に戻ります。」
お父さんにそう声を掛けると「ああ。」という返事だけが返ってきた。
なので私は急いで部屋に向かった。
慌てて部屋に入ると、テーブルに置きっぱなしの携帯に手を伸ばす。
時間を確認すると7時50分、今ならまだ少しくらい話せるかもしれない。
私はシオンの番号を呼び出すと、それをタッチして携帯を耳にあてた。
暫く呼び出し音が続いたけれど、電話はきちんと繋がった。
“はい”
シオンの冷めた声が耳に心地良い。
「お、おはよう。」
私がそう言うと、シオンは微かに笑った。
“そっちは朝か。”
シオンにそう言われて気付く。
「あ、そうだよね。そっちは今何時?」
“さぁ?22時過ぎくらいか。”
「じゃあ、おやすみの時間だね。」
“いや、まだやる事があるんで寝ないが、あまり長くは話せない。”
シオンの声を聴いて上がっていたテンションは、その言葉で何だか急に下がってしまった。

