叶う。 Chapter3




「・・・はい。」


部屋に入られるのはやっぱり嫌だけれど、致し方ない。

私がそう返事をすると、お父さんは満足したようでまた新聞を手に取り読み始めた。


その瞬間、私はある事を思い出し急いで部屋に戻ろうと思った。


「じゃあ、私は部屋に戻ります。」


お父さんにそう声を掛けると「ああ。」という返事だけが返ってきた。


なので私は急いで部屋に向かった。





慌てて部屋に入ると、テーブルに置きっぱなしの携帯に手を伸ばす。

時間を確認すると7時50分、今ならまだ少しくらい話せるかもしれない。

私はシオンの番号を呼び出すと、それをタッチして携帯を耳にあてた。

暫く呼び出し音が続いたけれど、電話はきちんと繋がった。


“はい”


シオンの冷めた声が耳に心地良い。


「お、おはよう。」


私がそう言うと、シオンは微かに笑った。


“そっちは朝か。”


シオンにそう言われて気付く。


「あ、そうだよね。そっちは今何時?」


“さぁ?22時過ぎくらいか。”


「じゃあ、おやすみの時間だね。」


“いや、まだやる事があるんで寝ないが、あまり長くは話せない。”



シオンの声を聴いて上がっていたテンションは、その言葉で何だか急に下がってしまった。