叶う。 Chapter3





早くしないと、またあのロボットみたいな家政婦さんの訪問がある。


それにいつでも綺麗にしておけ、とお父さん言われた事を私はちゃんと覚えていた。


手早く服を着替えると、直ぐに鏡台に座り髪を梳かした。

メイクはしなくても大丈夫だろうけれど、流石に寝起きのボサボサ頭じゃ、お父さんはまた目を細めて睨んで来るだろう事が簡単に予想出来る。


目覚まし時計と、前と違って土足のこの家では靴を脱いだり履いたりするのが面倒なのでルームシューズが欲しいと思った。

それに家で羽織れる厚手のニットとか、ストールなんかが必要だと頭で考えながら、私は綺麗になった髪をシュシュで結んで横に流した。


前の家では、パーカーにレギンスで充分だったけれど、多分お父さんはそういう服装にあまり良い顔をしてくれないだろうと思う。

それはあくまで私の勘だけれど、多分外れてはいないだろう。


そんな事を考えながら、私は必要な物をメモに書いておいた。

今日時間があったら、まとめて買ってこよう。

お金は余り使いたくないけれど、仕方ない。


私はそう思って、机の引き出しを開けて通帳を取り出した。

どっちにしろ、銀行に一度行かないといけない。

貴重品を入れたバッグには、双子の父親から渡された現金がそのまま入れっぱなしだった。