叶う。 Chapter3





バスルームもトイレと似たり寄ったりだった。

目の前にある洗面台には、女神のような彫刻が施されていたし、鏡の周りを囲うように薔薇の彫刻も施されていた。

蛇口なんかも凝った作りになっていたけれど、一応ちゃんとお湯と水が両方きちんと出るようで安心した。

作り自体はアンティークな雰囲気だけれど、設備はきちんと今風になっているようだ。

私はその奥にあるシャワーカーテンを引くと、これまた猫足のバスタブと凝ったシャワーに何だか外国にやってきたような気分になった。

備え付けられた棚には、未使用のスポンジやら石鹸やらボディソープやらが数種類置かれていたけれど、何故かどれも薔薇の香りの物ばかりだった。

私は部屋に戻ると、家から持ってきた石鹸を持ってまたバスルームに戻った。


慣れないお風呂に苦戦しながらも、何とか全身を丁寧に洗ってシャワーで流した。

そしてバスルームを出ると、途端に自分の身体からいつもの柑橘系の香りがすることにとても安心した。

そして洗面台の横に置かれたバスケットに入っているバスタオルを取り出すと全身を綺麗に拭いて、代わりに自分の脱いだ服をそのバスケットに入れておいた。

きっとこうしておけば、勝手に洗濯してくれるんだろうと思った。