叶う。 Chapter3





「旦那様からご伝言を賜りました。先程言い忘れてしまったが、洗濯物の回収やバス、トイレの清掃に毎日私達の誰かが部屋に入る事になるが、勝手に入られるのが嫌なようなら、時間を決めて欲しい。との事です。」


私はその言葉に思わず溜め息を吐きたくなったけれど、口をしっかり閉じて何とか耐えた。


「それはどのくらい時間がかかりますか?」


私は諦めてそう尋ねた。
この家はそういうルールなんだろうと思ったし、態々それを言いに来てくれたこの人に八つ当たりするのも筋違いだ。


「汚れにもよりますが、30分はかからないと思います。」


その人はやっぱり機械的にそう言った。


「分かりました。では、毎朝6時半にお願いします。」


その時間なら朝食までに終わるだろうし、私も部屋に居るから良いだろうと思った。



「かしこまりました。では、6時半にお部屋にお邪魔致します。」


その人はそう言って、また一礼すると静かに廊下を歩いて去って行った。


私はその後ろ姿を見ながら、盛大に溜め息を吐いた。


なんだか気の休まる暇がない。

だけれど、我が儘を言える立場でもないので私はじっくり深呼吸をすると、必死に怒りを抑えた。
そしてなるべくバス、トイレを綺麗に使おうと心に誓った。