叶う。 Chapter3





だから気にする必要はない。

まともな家で生きて行きたければ、施設でも何処でも行けば良いんだ。

子供の頃と違って、今の私には助けを求めたければそれが与えられる事くらい分かってる。

家族と一生会わなくて良いなら、まともな人生を歩む事も悪くは無いのかもしれない。


でも私は家族と会う事を選んだのだ。


部屋の扉を開けると、さっき鍵を開けたままリビングに降りた事を思い出して、私は溜め息を吐いた。

寝起きだったから、すっかり忘れてしまっていた。
これからはちゃんとしようと密かに思って、部屋に入った私はそのまま鍵を締めた。


時間を確認しようと、テーブルに置いた携帯を見ようと手を伸ばした瞬間……
部屋の扉が、2回コンコンとノックされた。


私はその音にびっくりして振り返ると、鍵を開けて扉をほんの少しだけ開いた。

隙間から覗くと、そこにはさっきキッチンで見た人とは違う家政婦さんの姿があった。

私は扉をきちんと開いて、その家政婦さんを見た。

多分、背は私より少し高いくらいだけれど、見た感じ高校生くらいにしか見えないほど童顔だった。

家政婦さんは私の瞳をちらっと見ると、一礼して直ぐに口を開いた。