叶う。 Chapter3





リビングを出ると、私は自分の部屋への階段をゆっくりと上がった。


周りが見えないとか、それほど暗い訳じゃないけれど、やっぱりこの家は薄暗い気がした。


今までは本当に蛍光灯の明かりの下で生活をしていたけれど、なんて言うかこの家は蝋燭とか松明とかの明かりの様な暖かみのある色をしている。

かと言っても、見た感じだとシャンデリアや普通の照明器具を使っているので、別に蝋燭や松明が置いてある訳じゃない。

蛍光灯の種類が違うだけで、こんなにもその雰囲気が変わることが何だか不思議に感じる。

だけれどこの色に慣れなくてはいけないのだ。


今日から大人になるまでは、ママが私の為を想って用意してくれたこの薔薇の家と、お父さんと、一緒に生きて行かなくちゃいけない。

お父さんの存在は色々と謎だけれど、ママが私を預けるくらい信頼していた人なんだと思うと、多分ママにとってはお父さんは善人だったんだろう。

さっき殺されかけたけれど、それを除けば今の所怖い思いはしていない。


だから何となく、お父さんは本音は良い人なんだろうと思った。


″まとも″では決してないけれど、それを言ったら私はすでにこのおかしな環境に居る事自体が普通から考えたら″まとも″じゃない。