それはお父さんが言った琥珀色の瞳で、お父さんを見ていたかったからだ。

髪は直すことは出来ないけれど、もしかして0.001%くらいの確立で無事に戻ってこれたら、私はまた髪を綺麗に戻そうと思っている。

もしもそんな奇跡が起きたら、もっともっとお父さんに甘えようと、そんなことを考えているうちに、私はいつの間にか眠ってしまった・・・・・。












次に目を覚ましたのは、イギリスに着く直前だった。
ゆっくりと目を開けると、私はまだお父さんの膝の上に自分の頭があることに気がついて、慌てて起き上がった。


「やっとお目覚めか。」


そんな私にお父さんは微かに笑ってそう言った。


「ごめんなさい。」


私は慌てて謝った。
きっとお父さんはずっと重くて仕方なかっただろうと思ったからだ。

だけれどお父さんはいつもみたいに鼻で笑うと、私の顔をちらっと見てこう言った。



「顔がひでぇことになってんぞ。」


そう言われて鞄から手鏡を取り出すと、自分の顔を確認する。
そこには寝痕がくっきりとついていて、私は自分でも呆れてしまいそうになった。

そんな私にお父さんは退屈そうに窓の外を見ながらこう言った。


「お前は本当に逞しいヤツだな、爆睡してたぜ。少し化粧を直して来い・・・・予想だが、迎えが来てる。」