私はふと、部屋の中にある2つの扉に気がついた。
そんな私の視線に気がついたのか、お父さんは付け加えるようにこう言った。
「言い忘れてたが、各部屋には風呂もトイレもある。だから引きこもりたければ引きこもっても良いぜ。」
そう言ったお父さんは何だか少し楽しそうだった。
それから私達はまた部屋を出て、お父さんの書斎兼仕事部屋と寝室の場所を教えて貰った。
中には入れてくれなかったけれど、他の扉と違って特徴があったので、間違える事は無いだろうと思った。
「用事がある時は俺は大体書斎に居るか、出かけてる。要は書斎に居なきゃ出てるってこった。まぁ、急用なら電話して来い。急用じゃなけりゃ飯の時にでも言えばいい。」
「・・・・はい。」
私がそう言うと、お父さんは私の頭をポンポンと叩いた。
「あとの部屋は3つほどあるが、客間として使ってる。家は客人が来る事が多いんでな。だから必ず部屋の鍵は掛けておけ。部屋に居る時も必ずだ。分かったか?」
今までろくに部屋に鍵なんて掛けなかった私は、何だか忘れそうで心配だったけれど、きちんと頷いた。
客人が誰だかは知らないけれど、間違って部屋を開けられる可能性があるのだからそこは気をつけないといけないと思った。

