その仕草に、やっぱり美弥はレオンに普通以上の感情を抱いていたんじゃないかと感じる。
「・・・はい、レオンが言ったって、さっきお父さんが言ってました。」
「ええ、そうなんです。お兄様達が帰国されてから、私はご存知の通り柴崎様に雇われておりました。だけどあのうるさい場所は私は好きではありませんでした。」
美弥はそう言って、俯いていた顔を上げて少しだけ笑った。
私はそれに激しく同感して、思わず何度も頷いた。
そんな私の姿が面白かったのか、美弥はクスクスと小さく笑う。
「それでこちらの旦那様がいらっしゃった時、娘の付き人をと言うことでこちらに連れてこられたのですが、まさかお嬢様だとは思ってもみなかったんです。」
美弥はそう言ってサイドの髪を耳に掛けた。
首の下に隠されていた刺青が、はっきりと見えた。
それは小さなトカゲみたいな刺青だった。
「お嬢様を見た時、私は本当に嬉しかったんですよ。レオン様が大事にしていらっしゃったお嬢様のお世話をさせて頂けることが、本当に嬉しくて。」
心底嬉しそうにそう言う美弥に、私も思わずつられて笑った。
「私もまた会えて嬉しいです。み、美弥はレオンとは連絡しているの?」
私がそう言うと、美弥はまた目を伏せた。
聞かなければ良かったと、ちょっとだけ後悔した。

