叶う。 Chapter3





だけれどそんな怖そうな場所に興味すら湧かないし、深く詮索することがどれだけ痛い目にあうかを知っている私は、ただ黙って頷いた。


私が納得したのをきちんと理解してくれたのか、お父さんは私の背に手を添えると、来た廊下を戻り始めた。


そしてまた玄関ホールに戻ると、左右2ヶ所にある螺旋状の階段を登って、今度は2階に向かった。


階段はどちらから登っても、同じ廊下に出る作りになっているようだったけれど、お父さんが左から登ったので私も後に続いた。


2階には部屋は5つあった。

1つは私の部屋で、案内された時に鍵を渡された。

私は部屋に入ると、とても驚いた。

何故ならその部屋は、壁やカーテンや窓以外、全て昨日まで私が生活していた部屋のままだったからだ。

ベッドやソファの位置から机に至るまで、全て同じ配置な事に、何故かとても安心感を抱いた。

だけれどその部屋は昨日までの部屋より広く、窓際には猫足のアップライトピアノが置かれていた。

それ以外も、アンティークな家具がいくつか増えていたけれど、どれも私の部屋の家具と比べてもそんなに違和感がなかった。


私はお父さんから貴重品の入ったバッグを受け取ると、それを、ソファに置いた。


「……気に入ったか?」


お父さんのその言葉に、私は笑顔で頷いた。