お前だけ。

『ちょっと！玲！なにその、浮き輪！』


『あーこれ？翔平がくれた。ん？貸してくれたのかな？』


『あんた、泳げるでしょ！』

『ん、まぁ。』


『じゃああたしにかして！』


『え？なんで？泳げないの？』

と、あたしは笑いながら言うと、遥は

『泳げない。』

って、不安交じりに言った。


『はーるか？お前泳げねんだろ？俺と2人で遊ばね？』


と、いつの間にか遥の横にいる圭太先輩。


『え？でも、圭太海入らなくていいの？』


『俺1人ではいるわけにいかねえだろ。バカ。』


と、ラブラブっぷりな2人なので、あたしはその場を離れ、おにいたちのいるところに戻った。


『おい、海入っか？』


と、あたしに言ってきたのは、翔平。

『いいよ？入ってあげる！』


と、上から目線で生意気なあたし。

『ずいぶん生意気じゃねぇか。行くか！』


と、言ってあたしをお姫様抱っこというやつをして、海に入っていった。


ちょっとまったーーー！！なんで！今なにされてるの？ほんとにほんとにあのお姫様抱っこなの？？


『ね、ねぇ！おろして！』


『お前なぁ、ジタバタしてっと、落ちるぞ！』


『い！いいの！！落として！！恥ずかしい！！』