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SHOUSUKEside
クソ餓鬼
去っていく神山の背中に頭の中で悪態を垂れる。
「先生、授業は……?」
そんな声に振り返ると、
困った顔なのに少し嬉しそうな野々宮が起き上がりながらおずおずとこちらを見ている。
そんな野々宮を前に少しイラついていた気持ちが晴れるのを感じた。
俺も、随分単純だな。
そう項垂れるも野々宮の問に答える。
「野々宮が心配だから代打の先生探して授業頼んできた。
家まで送るから一緒に帰らないか?」
そう車のキーを見せるように持ち上げると、鍵同士がぶつかり合い音がした。
鍵と俺の顔をぼーっと交互に見ている彼女はまだ状況を理解できていないように見える。
そんな彼女の両頬を片手でつまみあげると俺の方に視線を固定させた。
「車とってくるから大人しく待ってるんだよ?」
しっかりとそう告げた後に小さい声で呟く
「次もあんなの見かけたら、理不尽だってわかってても怒っちゃいそうだからね」
聞こえてるのかなんなのか…
彼女は俺のせいでタコちゅーの形になっている唇のまま首を控えめに縦に振った。
それに満足した俺は手を離し少し笑うと職員から出た。
それにしても、
油断も隙もない…
ため息をひとつつきながらも、
早く戻りたい気持ちが逸り、歩く足の速度が緩むことはなかった。
