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「はーっくしょん」
「大丈夫?」
登校時、
くしゃみをすると沙奈が心配そうにこちらを見てそう言葉をかけてくれる。
「ことは風邪ひいた?」
そう問いた西谷くん。
その隣にいる橋戸くんは「昨日雨に当たって帰ったもんな」と付け足した。
「無理しないでね」
沙奈がそう言いつつ私の背中に手を当ててくれる。
「みんなありがとう。
でも多分大丈夫、そんなに辛くないし」
みんなの優しさに感謝しつつ心配かけてはいけないと思い笑顔でそう答えて見せた。
教室につくと自分の机にむかいカバンを置く。
少しでも油断をすると体のだるさが襲ってくる感覚を覚えた。
1つ息をつくも頭がクラクラとして言う事を聞かない。
そんな時、ガラガラと音を立てて教室の扉が開いた。
「朝礼するぞー」
名簿のファイルで肩をトントン叩きながら入ってきた小田先生はみんなにそう声をかける。
それを見た生徒たちは一斉に席へと戻っていった。
出席確認で呼ばれていく名前。
だが、そんな毎日行っているささいな事ですら頭に入ってこない。
「…宮……」
どうしちゃったんだろう…
「のーーーのーーーみーーーやーーーーー」
「は、はい!!」
気づけば私の名前が呼ばれていたらしい。
小田先生によって強調するように伸ばされた私の名字でやっと認知できた私は焦ったように返事を返した。
それによって続行された出席確認。
そんな中私は静かにため息をもらした。
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「渡辺ー」
「はい。」
「よし、全員いるな。
じゃあ吉川先生。よろしくお願いします。」
小田先生による出席確認が終わり
朝礼のため吉川先生が交代で教台にたった。
吉川先生の朝礼も
これまた頭に入ってこない。
やっぱり風邪かなぁ…
「俺様の素敵な出席確認でぼーっとするとはいい度胸だな。」
「……ふぇ…っ?!」
いつの間に移動してきたのか、
前でしゃべる吉川先生に気を取られていた私は、突然後ろから小田先生にそう声をかけられてビクッと肩を揺らす。
「1限の前、職員室集合な」
小田先生はみんなに気付かれないように耳元でこそっとそう伝えるとわたしの頭をポンッと撫でて吉川先生が話している時の定位置である教卓の脇へと戻っていった。