†.。.: My angel .。.:*・゚




____________________……






「さむっ」








帰りの電車。


随分暖かくなった春の気温に合わせた温度設定の車内は、雨で濡れたわたし達には極寒の地になっていた。









先程車内に乗り込むなり一番に寒いと言った西谷くんに「大丈夫?」と声をかけたがわたし自身もかなり冷えきっている。













「だいぶ降られたもんね。」










そう言い髪の毛を託しあげる沙奈。











「沙奈様…かっこいいです」










躊躇なくオールバックにさせられた沙奈の前髪。

寒がる様子もない沙奈。







そんな沙奈がキラキライケメンオーラを放ってきたので思わずそんなことをいってしまう。










「いやいや、そこは俺じゃね?」










ズイズイっと私の視界に入り込んで来た西谷くん。










そんな西谷くんの頭を橋戸くんが小突いた。











「いち早く寒がってたのは誰だよ。」









「そーだそーだ!誰なんだ!」
















面白がって橋戸くんの言葉に賛成すると西谷くんが「は?何言ってんの?全然寒くねぇし」とスカしてみせた。











それを見てみんなで笑うが、ふと橋戸くんが「てか…」とあからさまに私から視線を背けた。










「ことははセクシー過ぎ。」










そんな彼に疑問がわく私。









別に下着が透けてる訳でもないし…









なんでだ?











「出たな天然。」













自分を見回す私に向かって沙奈がそう言い放つ。











それにはほかの二人が「うんうん。」と揃って首を縦に降った。











「なんなのー」












わからず音をあげる中着いたわたし達の最寄駅。











開く扉。









悶々と悩みながら改札を出るが、
みんなとの帰り道もここまで。
ここからはみんな別々の道で帰る。
それを思い出すと沙奈に振り返った。











「沙奈、今日はありがとうございます。

とっても楽しかったです。」












ペコッと頭を下げる私。









「どういたしまして。」







そう頭を撫でてくれる沙奈。







だが、そのまま言葉を続ける。










「てか、なんかバイバイみたいな流れになってるけど送ってくよ?」









「え!いいよいいよ!遠回りになっちゃうもん!」








両手を前に断る私の手を掴み「こんな無防備な子一人で帰せません。」と私の家の方へと進む。











西谷くんと橋戸くんも当然の如く着いてきた。










「2人まで!雨酷いし、風邪ひいちゃうよ~」









そう抗議するも、「いーのいーの。」「こういう時は甘えなさい。」と、二人に頭を撫でられた。










みんなの優しさに心があったかくなる。









もうみんな大好きだ。










心の中でそう呟いた、そんな時…