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「問題は小田先生よ。」
場所は変わってバイキング施設に着いた4人。
私が食べ物を取りに行った隙を狙って沙奈が西谷くんと橋戸くんにそう話を持ち掛ける。
「数学委員だってあいつの差し金だもんな。
それにことはが気づいてないのがまた危なっかしいし。」
沙奈は委員決めの時、ことはの委員一覧のプリントにだけ彼女の名前が数学委員の欄に当て込まれてた事を2人には話していた。
橋戸くんがその話を思い出しつつそう発言をする。
「この前の告白大会にも来てたしな
怪しさむんむんだぜ。」
西谷くんがそう言ったところでみんなのところへと合流した私。
「おいしそうなものたくさんあるね。」
和洋折衷揃っていてどれもおいしそうで少し取りすぎてしっまったかなと悩む。
そんな私を見て3人が「ノー天気。」と呟いたが、それが私に聞こえることはなかった。
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写真もいっぱい撮って
ご飯もいっぱい食べて…。
遊びきった私達は満足感に満たされながらバスに揺られて帰る。
帰りのバスは行きと違ってみんな熟睡だった。
「はい、皆さん。
お休みの所申し訳ありませんが、もうそろそろ解散場所でございます。」
そんなバスガイドさんの言葉が寝ぼけた脳に届く。
目を開けると朝バスに乗り込んだ場所と同じところにまもなく着きそうな所まできていた。
だが、朝と違う事が起きている。
それは雨だった。
大粒の雨がバスの窓に叩きつけられている。
「傘持ってきてないや…。」
「降る予報じゃなかったもんね」
眠そうな沙奈が目を擦りながら私の独り言に反応する。
「ごめん、起こしちゃった」
「いいよ、どうせもう着くし。」
ん~っと伸びをする沙奈。
「到着です。本日は当ツアーを御利用頂きありがとうございました。
またの御利用をお待ち申し上げております。」
そんなバスガイドさんの声と共にバスが止まる。
バスから出ると思いの外強い雨が降っていた。
「くそ、傘持ってきてねぇよ」
「でも帰りだけで良かったね」
突然の雨で顔をしかめる橋戸くんにそう言うと
「そうだな」
と、笑ってくれる。
「つーか俺、晴男だから!
俺のおかげだわ!!」
「大雨に打たれながらなに偉そうなこと言ってんの?」
えっへんと偉そうに反り返る西谷くんだが、沙奈のキツイ一言にショックを受ける。
大袈裟に落ち込んでるのは見え見えだが、雨も手伝ってなんだか妙に雰囲気が出ている西谷くん。
そんな彼に堪えきれず笑ってしまった。
