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つぎの日、
昨日私が全員振った事で、生徒内では
「野々宮ことはは誰とも付き合う気はない」
と噂がたったらしい。
それは沙奈達にとってはとても喜ばしい事のようで、3人はいつになくはしゃいでいた。
「これで結構減ったんじゃねぇか?」
お昼休み、
嬉しそうに口を開いたのは西谷くん。
「そうね、効果的面だったと思う!まぁ誰かさんは途中寝てたけど」
「は?寝てたの?」
最後尾にいた橋戸くん気が付いていなかったらしく、それを沙奈から聞くなりジロっと西谷くんを睨んだ
「しかも一番いいタイミングで」
そう。あの小田先生が来た時に西谷くんはちょうど寝ていたのだ。
沙奈の指摘に私はうんうんとわざと何回も頷いた。
しゅん…と首を垂らしながらお弁当をつつく西谷くんをよそに橋戸くんは「一番いいタイミング?」と聞き返す。
「そう!それがね!!あの小田先生が来たのよ!」
沙奈が興奮した様子で話始める。
それを聞いた橋戸くんも「は?」と顔色を変えた。
「あいつ教師の癖になにしてんだよ。
てか、最後尾では見なかったから絶対抜かして入ったな。」
「あ、でもね告白しに来たわけではなかったよ」
語弊が生まれていると感じてそう話を遮る。
「じゃあ何しに来たんだよ」
「そういえばこそこそ何か話してたわよね?何言われたの?」
橋戸くんと沙奈が身を乗り出してそう聞いて来た。
「こそこそ話すとか相変わらずヤラシイ野郎だな」
落ち込んでいたはずの西谷くんもすかさず小田先生を批判する。
さすが西谷くん。立ち直りがはやい。
「えっとね、なんか心配してくれた。」
と、思う。
そう答えるも3人は疑いの目で私を見てきた。
「ほんとだもん…」
……、多分。
「まぁいいけど。
要注意人物である事には変わりないわね」
そう沙奈の声を筆頭に意気込む3人。
私はというと。
自分でもなんでこんな感じになるのか腑に落ちないまま、これを誤魔化すようにパクパクお弁当を口の中に運んだ。
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一方3年の教室では…、
「智哉…あの子、あぁ野々宮ことは。昨日大量の生徒に告白されて片っ端から振ったらしいぞ」
智哉と呼ばれた男は携帯を弄っていた手を止める。
「どういう事?」
「なんでも、野々宮ことはの仲いいやつらが告白大会開いたらしくて、野々宮に告白したいやつを片っ端から集めて振らせたんだよ。
あからさまではあるけど効果は的面。
おかげでファンクラブが出来たとか出来ないとか。
ほら、"みんなの野々宮ことは"になった感じ。」
それを聞いて楽しそうに笑ったのは、以前ことはがノートを落とした時に拾い集めてくれた先輩。神山智哉(かみやまともや)だった。
「いいね、面白くなってきた。」
そう一言呟くと再度携帯を弄り始めた。
