なんだか打ち解けて楽しく話しながら歩く私達。









彼の名前が山田くんであることもわかった。






だが……











そんな私達の後ろを付けてくる人物が
3人もいることを2人はまだ知るよしもない。








「あんの天然お人好しのばかことは…!」








「告白に決まってんじゃんね、何ホイホイついてってんだかあいつは。」










西谷くんと橋戸くんが順にそう話す。
が、それを聞いた沙奈が「しっ、見つかっちゃうよ」と咎めた。








着いた先は校舎裏の裏庭。









「野々宮ことはさん!」








「は、はいっ」








そこに着くなり、山田くんが急に私の名前を呼んだ。









条件反射で返事をするなりピッと姿勢を正してしまう。
















「えっと、ずっと前から見ていて…」












「あーぁ、ほらな?」







「ちょ、礼仁静かに!」








2人から見えないであろう茂みの影に隠れている3人。
話始める山田くんにちゃちゃを入れる西谷くんに沙奈が再度咎めた。








「実はずっと前から…、」








そう言いかけた山田くん。










そんな彼の頭上スレスレをカラスが通り過ぎ…








向かってきた先は私の目の前。







「だから…」









続けられる山田くんの話。
だが、鳥…とくにカラスが苦手な私は一瞬で意識が完全にそっちに奪われた。








「っきゃ!」







カラスの近さに思わずそう悲鳴をあげちょこっとしゃがむ。








それに驚いた山田くんは「えっ、野々宮さん?」と言うなり助けようとしたのかこちらに手を伸ばしてくれる。







が…、何につまずいたのか、山田くんはそのままバランスを崩した。









「わっ」







そんな声とともに倒れてくる山田くん。







バタっ








「……いった…。野々宮さん、ごめん大丈夫?」








そう言われ、反射的に閉じていた目を開ける。








たぶん山田くんも同じタイミングで目を開けたのだろう。








「う………、わ!
ごごごごごめん!!え……っと今!今どくから!!!」








目の前にいる山田くんはとてつもなく焦っている。








それもその筈、傍からみたら私が山田くんに押し倒されているような形になってしまっている。











と、混乱している私達のすぐそばで
バサバサバサー!っと茂みが揺れ、人が3人出てきた。









「オラオラオラ!てめぇことはになにやってんだ!!」






「とりあえず今すぐそこからどけ。」










声を張り上げて怒る西谷くんと、冷静に冷たく見下ろし静かにそう告げる橋戸くん。






そして沙奈は…










ドカっ







「いてっ…!」









無言で私の上に乗っていた山田くんを蹴り飛ばした。








「み、みんな
なんでいるの?!」









自由になった体を起こしてそう3人に問う。








だが…








あ、もう遅い










そう確信した。












「「「てめぇー、」」」









ギャーー






バタバタバタ…