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KOTOHAside









「好きです!付き合ってください!!」












そう頭を下げた男の子。








下げられているのはなぜか私。











その後ろで長机に座ってそれを鬼のような形相で見守っているのはお馴染みの沙奈。








机の上にはなぜかイエローカードとレッドカードが並べられている。









「ご…、ごめんなさい…」











そう私が断ると、
「残念!はい、はやく帰った帰った!

次の方どうぞー!」
と沙奈が適当にあしらい西谷くんに向かって叫んだ。










西谷くんはここの入口に[受け付け]と書かれた札の乗っている机の席につき、仕切っている。








「はい、次の方ー。さっさと振られてきてくださーい。」











な、なんかすごい断りづらい事言ってるし。









まぁでもどうせみんな本気じゃないんだろうなとも思う。








にしても…。








チラリと西谷くんの前に出来ている列を除き見た。











その列の最後尾には橋戸くんが[告白希望者最後尾]と書いてある看板をもっている。










遠くに見えるその看板にため息をついた。








みんな誰でもいいから彼女が欲しくてたまらないのだろうか。











「僕が一生しあわせに「ごめんなさい。」










バサッと目の前に差し出されたバラの花束。





それに気が付かないフリをしてすぐ断る。








それを見ていた3人は笑っているのか一気に顔を伏せた。










この事の発端は三日前まで遡る_____……







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「あの、野々宮さんいますか?」











うちのクラスの教室のドアから控えめに室内を覗いた男の子が、たまたまドアの近くにいた生徒に聞く。










「あ、そこにいます」













その生徒は教室内ではなく問いた男の子の後ろを指さして言う。

この時私は廊下を歩いて教室へ戻ろうとしていたのだ。



















「野々宮さん!」








教室の前にいた男の子が走ってこちらへ向かってきたかと思うと急に名前を呼ばれた。








知らない生徒なはずなのに、名前を知っていた違和感に少しの警戒心が生まれ
「はい、」
と、控えめに返事をする










「あの…ちょっと話があるので、来て…もらえませんか?」














「話って、なんですか?」









「こっ、ここじゃ….言いづらい、っていうか…」










落ち着かない身振り手振りの彼。











「なんか、こう…裏庭…?みたいな……あ、それじゃあベタかな……音楽室?……や、なんでだよ」









独り言なのか私に言ってるのかわからないくらいの音量で下を向きながらブツブツブツブツなにかを言っている姿。








そんな姿に思わず笑ってしまった。










それを見た彼は
ははっ
と、恥ずかしそうに頭をかく。









最初はびっくりしたけど、
この人絶対にいい人だ。











そう思った私は「どこでも大丈夫です」と言って笑う。












その言葉に彼はパァっと顔を明るくし、元気な声で

「じゃあこっちへ!」

と歩き始めた。