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SHOUSUKE side





俺の横取りされたプリンの件でひと悶着はあったものの

無事食べ終わった野々宮は会議室をでるべく席を立った。









「プリンご馳走様でした」








野々宮は満足そうにそう挨拶をしたかと思うと、ふいっと視線をずらし、







「…と、ありがとうございました」








恥ずかしそうにモゴモゴとお礼を言った。









こっちの気持ちも知らないで
んな顔しやがって。












そんな感情を押しとどめる様に
彼女の鼻を摘んでみる。










「っにゃ?!」













「不細工。」















突然摘まれた鼻と、予期もしない暴言に彼女は眉をひそめると
「ぜんぜいびどい。ぜんぜいのあぐば」
と俺の顔を睨んだ。











「何言ってるか全然わからない」












俺に鼻を摘まれてるがための鼻づまり声だが、そんなことはお構いなしにそう言って笑う。












鼻を摘まれたままの彼女もつられて「へへっ」と笑った。













俺は鼻を摘んでいた手をそのまま彼女の頭の上に持っていくと頭を撫でる。













「とりあえず、元気無くなったら俺んとこ集合な」











そんな言葉に野々宮は








「またプリンがあるなら考えてあげてもいいです」







と、いいつつまた俯き顔を赤くする。









なんじゃこいつ。











危うく抱きしめそうになったっつーの。



















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バタン…











1つの礼を残して会議室から出た彼女を見送ると、再度椅子に座り込みため息をついた。















ヤバイ…














もう、非常にヤバイと思う…















好きなのに気付いたのはいいけど。











歯止めが効きづらくなってんだよな











はぁ。











どうしちゃったんだ、俺らしくもない。













…。



いっそのこと飛び込んできてくれれば抱きしめられたのに。















またそんな事を考え始める俺の思考回路にもう一つため息をつき、頭を乱暴にかくと、俺も会議室を後にした。