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そんな楽しいお昼休みも終わり、午後の授業が始まった。











先程とは違い、今度は吉川先生が教台に立っている。











「これから委員決めをする。
まずは立候補制でいくが、複数の立候補者がいた場合と逆に立候補者が出なかった場合に関しては推薦制にする。」













先程、補佐役にまわった小田先生から配られたプリントにはズラリと委員の名前と役職が書き記されていて、
その隣にはその委員になった人の名前を書く欄があった。












みんなにそれを資料になんの委員になるか考えているようだけど、












私は数学の教科委員になるように勧められたからなにも考える事もなくただボーッとしていた。










「ねぇねぇ」










そんな私を呼ぶ沙奈の声が隣の席から聞こえる。









吉川先生にバレないように、小さな声で「なに?」と答えた。









「ことはのプリントの数学の教科委員のとこ。」










そう言われても何の事だかわからず首を傾げる。












そんな私に沙奈は「ほら、間違い探し。」と言って自分のプリントを渡してきた。











渡された沙奈のプリントと自分のプリントを見比べると、沙奈のプリントにはないあるものが私のプリントにあった。














それは私の名前。














私のプリントには数学の教科委員の名前の欄が既に私の名前で埋められていた。










驚いた私は思わず顔をあげ、小田先生を見る。












すると、小田先生は今のわたし達のやりとりを見ていたらしく、目が合った私にイタズラっぽく笑ったかと思うと、口パクで「どした?」とわざと惚けてみせた。


















そんな先生のあざとさに開いた口が塞がらない。













「周りの人のプリントも盗み見たけど、やっぱり書いてないからことはのプリントだけみたいだよ」











沙奈がそう言いながらプリントを自分の所に戻す。













思わず「ほぇー」と関心してしまった。