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KOTOHAside








教室に戻ると沙奈と西谷くんがまた恒例の言い合いをしていた。









「どーせまたあんたが変な事言ったからことはがどっか行ったんでしょ?!」










「は?だからあの副担が連れてったって言っただろ?!」














そんな2人の隣にいた橋戸くんがドア付近にいた私に気づくと「ことは帰ってきたよ、」と2人に伝えつつこっちに手を振った。












「ことは!おかえりー!」















みんなの輪に帰ってきた私を見るなりそう笑顔を向けてくれた沙奈はせかせかとお弁当をカバンからだした。











「もー、お腹すいちゃったじゃん!ほら食べよ食べよ!」










「ごめんね、ちょっと先生に呼び出されちゃって」













私も席につき持ってきたお弁当を広げながらそう謝ると沙奈は興味深そうにこっちを見る。










「ねぇ、先生なんの話だったの?」












「そうそう、なんの話だったんだよ、変なことされてないだろうな」













眉を潜めながらいらない心配をする西谷くん。









「ないないない」といって笑う私に、今度は橋戸くんが「や、あのタイプはありえる。」と彼もまた心配そうな目を向けてきた。











なんだか結局、西谷くんと橋戸くんも一緒に机をくっつけて食べる事になったが、昨日からこの四人組でいる事が多かったからきっとウマが合うのだろう。












「別にたいしたことじゃなかったの。なんか私になんの委員がいいかオススメしてくれたんだ。怒られると思ったから安心しちゃった」














「へー!なんの委員?」













お弁当の唐揚げを頬張りながら聞く沙奈。










「数学の教科委員だって」














「は?それあいつの教科じゃん」










「あんの変態教師何考えてんだよ」













私の答えを聞いて西谷くんと橋戸くんがそう批判を飛ばした。














「2人とも考えすぎだよ」










なぜか怒っている二人が可笑しくてそう笑う私に











「まぁことははうちらの天使だから。何かあったらうちらが黙ってないし大丈夫でしょ」










と、強く言った沙奈。











沙奈…かっこいいけど天使ってなに?









「そうだね、打倒小田!」










西谷くんの声を合図に3人は「オー!」と意気込んだ。










変なところで協調性を発揮する3人が面白くて、私はずっと笑っていた。











「ことはは俺らが守るからね」









そんな私に橋戸くんがそう念を押してきた。













面白いけどなんか嬉しくて。笑顔で
「うん」
と答える。













「可愛いし」







「や、無防備」











「わかってないよね」










「鈍感」










「天然」










せっかく嬉しかったのに3人が口々に好き放題言う。










拗ねる私に沙奈は
「ん?褒めてるんだよ?」
と、フォローをする。














「最初の一個だけじゃん」










ちゃんと聞いてたもんね









「うん、まぁあんま褒めてはないかな」
















せっかく沙奈がフォローしてくれたのに西谷くんは意地悪く笑いながらそう言う。








そんな彼を前に「あー、ひどい」と、もっと拗ねたフリをした。
















「いじめないいじめない」














「や、さっきはお前も言ってたから」










いつもフォローしてくれる橋戸くんも、そんな西谷くんの鋭いツッコミに「バレた?」とペロっと舌を出した。