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自己紹介の終わった野々宮に腹いせのごとく当てられた西谷は当たり障りなく自己紹介を終え、他の奴らのつまらない自己紹介も全て終わった。







「よし、これで全部だな。
これから1年間クラスメイトになる奴らだ。仲良くしろよ。

じゃあ今から昼休みを1時間とる。よって、12:50にはこの席に座っている状態になっていること。午後は委員決めだ。そん時は俺じゃなくて吉川先生が仕切る。以上」










「起立。礼」













いつの間にか教室からいなくなっていた吉川先生だが、これまたいつの間にか戻ってきていたらしい。
教室の脇から号令をかけてくれた。






その声と同時にみんなが起立し礼をする。










俺らはそれを見届けるなり教室から退室した。



















だが、教師がいなくなった教室に後ろ髪を惹かれ足をとめる。









野々宮の「彼氏いません」発言のすぐ後だからちょっと心配だったのが本音。












「ことは!ちょっとトイレ行ってくるわ!」








そんな事をしていると、元気な声と共に宮野が教室から飛び出してきた。












とっさに柱の窪みに身を隠した俺は「あっぶね」と小さく呟く。










と、同時にふと我に返った。












何やってんだか
ストーカーか俺は









壁にもたれ掛かり腕を組むとため息をついた。



















大人しく職員室に戻ろうと決めたそんな時、野々宮に話しかけた西谷の声が俺を引き止める。

















「さぁー!昼飯だ!アホのことは!飯食うぞ!」













「アホじゃないもん」
















「お前がアホじゃなかったら世の中の人はみんな天才だな」

















「もーーー!」



















そうからかい笑う西谷にフンッと怒って見せた野々宮は
「お昼ご飯は沙奈と2人で食べるから西谷くんは仲間に入れませーん」
と言って負けじと意地悪く舌をだした。








「礼仁いじめすぎ。まぁまぁ、そう言わず。一緒に食お?」











二人のやりとりを遮ったのは橋戸亮太。









新たな刺客にふと教室の方に目をやる。










すると、











「ね?」という声と共に野々宮の肩に手を掛けグッと自分の方に引き寄せる橋戸が視界に入った。








橋戸と密着させられ、少々困った様子の野々宮。











宮野がトイレに行ってしまった今、彼らの暴走を止める人はいないようだ。

















そんな状況がなんとも面白くない俺。











そこから教室の中を除き込むと「野々宮、ちょっと」と彼女に手招きをした。










俺の姿に教室内がざわめく。









そんな中、呼ばた張本人の野々宮はこっちをぽかんと見ている。







「は、はい!」








ワンテンポ遅れてからの返事がなんとも彼女らしくておかしくなる。












突然現れた教師からの呼び出しに少し怯えながらもこちらに来た野々宮。














「ちょっと話があるから職員室までいいかな?」













そう問うと先程よりさらにピンっと背筋を伸ばし「はい!!」と答えた。











自分の大人気なさに多少なりとも反省を覚える。










いや、だがしかし
やってしまったものは仕方が無い。










しかも、野々宮をつなぎとめておくきっかけも作れそうだ。







いや、まぁ
そんな事を考えつく俺はなんと開き直りがはやいのだろうとは思うけど。













下心っつーよりは、
興味のほうがでかいし。

















それなら、

問題はないはず。 だろ?