キーンコーンカーンコーン
コーンキーンカーンコーン









3人が言い合っているのを笑って見ているうちに、朝礼が始まる時間になっていたらしい。

チャイムの鐘でその事に気付かされる。









みんな思い思いの場所で喋っていた生徒達がその音と共に自分の席につくと、全ての席がうまった。









小田先生の言葉に身を案じたのか
どうやら欠席はいないようだ。









ガラリと音を立てて扉が開くと、そこから昨日と同じ2人の先生が入ってきた。










一人はいかにも厳しそうな雰囲気を持っているご年配の吉川先生。
もう一人は若くて長身の小田先生。


















小田先生に教室の女子達は小さく悲鳴をあげる。










そんな彼女たちの反応をも蚊帳の外でビリビリと睨み合う西谷くんと橋戸くんと沙奈。











昨日から女生徒たちがみんな揃って小田先生のかっこよさに夢中だったが、楽しいお友達が出来た私は、そっちに夢中で、それどころではない。












今も西谷くんと沙奈のやりとりを先生たちに気付かれないように盗み見しては隠れて笑った。













「おはよう。お前ら、自己紹介はちゃんと考えてきたんだろうな?」








そんな小田先生の一声にビクンと肩が波を打つ。









また忘れてた!自己紹介!!














意地悪くニヤニヤ笑う小田先生を心の中で恨みながら急いで何をいうか考え始めた。
















だが、今更なにか浮かぶものでもない。
















不安に駆られていると、さっきまで沙奈と睨み合っていたはずの西谷くんが頬ずえをついてこっちを見ている。













「バーーカ。」















「な?!」












声に出さずとも口の動きでわかるように投げかけられた"バカ"の二文字に思わず声をあげたのは私だった。