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仕事を終えた俺は自宅のマンションのエレベーターを登っていた。
エレベーターが開くとそこには長い廊下がある。
俺はこの廊下を歩いている時にその日1日の事をなんとなく思い出す。
人間の習慣ってのは面白いもので、それは毎日の事だった。
ただ、今日はいつもとは少し違う。
その廊下に限らず学校を出てから、いや職員会議の最中も、ずっと野々宮ことはの事ばっか考えてた。
廊下の突当りにある自分の部屋に着くと慣れた手つきで鍵をあけ、その中へ入り込む。
気ぐるしいジャケットを脱ぎ捨て第3ボタンまで一気に外す。そしてネクタイを緩めながらそのままベッドへと身を投げた。
まだ鮮明に残っている夢の中の彼女と今日俺の教室でじっと座っていた野々宮ことは
2人を同時に思い浮かべるがやはり他人とは到底思えないほどその容姿は一致している。
夢の中の人が現実に現れた。
そんな不思議な現象と、自分の説明できない感情に嫌気がさす。
…いや、説明できないからじゃない。
ホントはわかってるんだ。今日彼女を目の前にして一気に惹かれた事を
ただ、いくら可愛くても相手は俺の苦手なガキンチョだ。
それも世に生息している生き物の中でピカイチにめんどくさい”女子高生”。
このまま好きになったりしたら、今までよりもっとめんどくさくなるだろうって事もわかってる。
だからあまり深入りしないのが賢明
そう。頭ではちゃんとわかってるんだ。