「――――っ!!」 夢の世界に行くわけもなく、完全に目を覚ました。 (今の……今の声はっ!) 忘れるはずがない。 あの声は、3年前に出会った彼のもの。 辺りを見回したが、誰もいない。 まだ遠くへは行っていないはず。 追いつくかもしれない。そう思うと、駆け出さずにはいられなかった。 加速する鼓動。 衝撃と期待の入り混じった胸を抱え、一心に駆ける。 ……会えるかもしれない。 彼に――ミブロに会える! 「うわっ!?」 「きゃ……っ!」