気分がふわふわする。

 やっぱり寝ちゃったんだ。

 そう思うことができるのは、まだ半分しか夢の中へ入っていないからかな?


 周りはとても静か。

 風が吹く。

 葉っぱ同士がこすり合って、木々のさわさわと揺れる音が心地よかった。





「何故、こんなところで寝るんだ……」





 誰かの声がした。

 呆れたようなそれは聞き覚えがあるような、ないような。

 呆れてるけど、どこか優しい声音に胸の奥がほっこりする。


 不意にやわらかい風が髪を撫でた。……ううん違う。

 これは、誰かの手?



「まったく……いつになったら思い出してくれるんだか」



 優しすぎる風が木の葉を揺らす。

 頭を撫でる心地よい感触にすっかり安心しきった私は、そのまま夢の世界に……。