「ええっと、私が見ていた夢っていうのは怖い夢なんかじゃなくて……その、えっと…………が………………てくれる夢です」 「え?」 あーもうっ! 聞き返さないでよっ! 「憧れの人が、助けに来てくれる夢です! 文句ありますか!?」 恥ずかしい! ただでさえそんな少女漫画みたいな夢、引くのに! とりあえず、怖い夢でなかったとわかったらしい若葉くんは一息ついて、遠い目をする。 「憧れの人……なんだ」 でも、瞬きをした後には、もとの笑顔に戻っていた。