何かを言われると、よく腹部に痛みを感じた。

 高校に入ってからが殊に酷かったけれど、最近はおさまっていた。

 辛いことを忘れてたんだ。

 それはきっと、若葉くんのおかげ。

 彼が話しかけて来てくれるだけでも、私にとっては大きな救いだった。



(でもそれも……もうダメ)



 痛いところを押さえる。

 痛みは増す一方で、引く気配はない。

 今までにないくらいの激痛だった。

 必死に耐えても一向によくならない。


 視界が明滅する。

 
 あまりの痛さに悲鳴が出そうになったとき、糸がプツリと途切れたように、私の意識は闇に堕ちていった……。