「やめとけって城ヶ崎。見た目に騙されると命はねぇぞ!」



 だから違います!

 私そんなに怖くないし強くないです!

 でもそんなことは言えないから、平静を装って質問する。



「お前たち、ここで何をしていた?」


「あぁ? 俺たちはただ、そこの女に指導をしていただけだ」


「指導?」



 振り返ると、少女がビクンと身じろいだ。

 小刻みに震える小さな肩は、ひどく頼りない。

 彼女は制服姿で、まして剣道部員ではない。

 練習でのトラブルとは思えない。



「備品の取り扱いが悪かったのか」


「そっちじゃねえ。コイツが余計モンを運び込んでやがるから、ジャマでしょうがねぇんだよ」



 城ヶ崎は不満を並べ立てながら、隅に置いてある段ボールの山を指差す。

 話を聞き、ああそうかと納得。