「新しい遊びだな。私も混ぜてくれるか?」



 間に割って入れば、ちょうど正面にいた男が顔をしかめる。



「何だお前」


「金髪……おい、こいつ紅林だ」


「紅林、だと?」



 男の背後にいる3人の仲間は口々に肯定する。

 一目で私だとわからないなんて、とよくよく顔を見れば、思い出した。


 目の前にいるのは、剣道部内で有名な乱暴者。

 城ヶ崎隼斗(じょうがさき はやと)といったか。

 部活に顔を出さないことのほうが多い、根っからの不良だ。

 私の顔を覚えていないのもうなずける。



「お前が校内で向かうところで敵なしっていう、あの紅林か?」



 いぶかしげに頭のてっぺんから爪先まで見下ろされた末、



「ただの女じゃねえか」



 と一刀両断。