「戻ってきたみたい。セラちゃーん、こっちよー!」
手を振る女性のもとに、やがてちいさな女の子が飛び込んでくる。
「お母さんきいてきいて! さっきね、お父さんとお花を見てたの。そしたらね、歩いてた女の人たちが、お父さんのこと知ってて、お父さん、なにかお願いされてたの!」
「え、お願いって……ほんと?」
「ほんとほんと! わたし見てたんだけど、お父さん、ずっとしゃべっててつまらないから、戻ってきたの!」
「……ねぇセラちゃん、聞いてもいい? お父さん、なんて言ってたのかな?」
「えーっと『今年のとれんどは』とか……『そこはまにっしゅなほうが』とか……よくわかんない」

