僕がやってきたのは、とある公園だった。

 遊具で遊ぶというより豊かな自然を楽しむことを目的としたような、一面緑のだだっ広い場所。

 女性は僕を引っ張りながらどんどん進み、やがてひらけたところまで来ると手を離した。



「あなた、ずいぶん落ち着いてるのね。話に聞いた通りだわ」


「……おかしいですか?」



 よく言われることだ。

 7歳児がこんなだったら可愛くない。



「いいえ?」



 でも、女性は笑った。

 それは美しいけれども、どこか垢ぬけた笑みだった。


 彼女は、今まで接してきた大人とは違う。

 こんな裏表のない笑顔で、僕を見る人がいるなんて。