「……お手柔らかにね」



 そっと呟いたつもりだったけど、ふと振り向いた若葉くんがニッと笑ったから、ギクリとした。

 若葉くんには敵わないなぁ。



 ――新緑、茜、琥珀の瞳。



 めくるめく時間のように変わりゆく色。

 彼は私の世界に、こんなにも鮮やかな色をつけた。


 彼の笑顔は、言葉は、今日私に何を刻むのだろう。

 それがどんなにささいなことでも、きっと私にはかけがえのない存在になりうるもの。


 もう、独りじゃない。

 友達がいる。……大切な人がいる。


 そうやって照らしてくれる彼の光が、私はとても好きだった。


 まばゆい光を受けて、私はこれからも強く、輝いていける。