「……ごめんなさい」


「どうして謝るの」


「だって、勝手に割り込んで騒いじゃったから」



 早とちりで困らせてしまった。

 これじゃあ、ただのおせっかいの押し売りじゃない。



「そんなことないよ。紅林さんが来てくれて嬉しかった。僕、地味なのは変わりないから。

 紅林さんみたいに仲良くしてくれる人がいると、こんな僕でもいいんだって思えるんだ」


「ううんっ! 若葉くんは全然地味なんかじゃなくて……」


「……ありがとう」



 まただ。

 どうして若葉くんは、私に笑顔でお礼を言うのだろう。