若葉くんが怒ってる。

 でも、以前感じた恐怖は一向にやってこなかった。

 叫ぶ若葉くんから感じられるのは、必死さと安堵。


 探してくれていた? 私を?


 そう思うと怒りは少し引いたけど、代わりに素直になれない気持ちが満たす。



「さっ……探してたって、先にいなくなったのはそっちでしょ! 『関わるな』とか言って、こっちの気も知らずに勝手に行っちゃってさ! 私がどれだけ寂しい思いをしたと思ってるの!?」


「……え?」



 今度は、若葉くんがまばたきをする番だった。