「……どうすんだよ」 朝桐が、途方に暮れた声を出す。 「どうしようもねぇじゃん。俺に聞くなよ」 乱暴に頭を掻きながら、日野が答える。 「どうしてまた、紅林なんかに……」 和久井の言葉の終わりを待たず、3人揃ってため息をつく。 そのとき、背後から忍び寄る影があった。 「――おい」