「城ヶ崎!」



 呼び声が聞こえたから、仕方なく振り返る。


 そこには見慣れた面子が揃っていた。

 同じ学年、同じ剣道部員。

 悪友とでもいうのだろうか。

 少なくとも、その3人は紅林より好意の持てるヤツらだった。


 だが仲がいいといっても、クラスが違う。

 四六時中一緒にいるわけでもない。



「何だよ」



 眉をひそめると、3人揃ってずんずん詰め寄ってくる。

 そして、中でも一番背の高い男、朝桐が口を開いた。